スーツやジャケット用の生地はいろいろな国で生産されており、多くはありませんが日本産のものもあります。しかし、やはりオーダースーツの生地といえば「イギリス」を外すことはできません。
スーツの始まりと言われている「ラウンジジャケット/スーツ」は17世紀中頃にイギリスの貴族階級により着られていました。そのような歴史に育まれてきた「イギリス紳士文化」は、英国産生地にもしっかりと受け継がれています。 経糸(たていと)と緯糸(よこいと)の両方を双糸(そうし-2本の糸を撚り合せた糸)していることが多いイギリスの生地は、寒い気候にも適した厚手の素材です。この双糸のおかげで、バリッとした質感とシワになりづらいハリのある生地となるのです。
もう一つの服地の産地であるイタリアのものと比較をしてみると、生地自体の厚がありかっちりとしたとスーツやジャケットに仕上がります。 ビジネス用のスーツ生地としてイギリス産の服地を検討している方には、長い期間良い状態を保てる上、手入れもしやすい傾向があるのでおすすめです。
英国式のスーツの大きな特徴は、男性らしいフィギア(体型)を強調するような、厚みにあるかっちりとしたデザインです。ハリとコシがしっかりとしているイギリスの生地の特徴に加え、体へのフィット感を重視した重量感をしっかりと感じられるようなデザインの工夫がされています。
襟のVゾーンを浅くしウエストラインを少し絞ることで胸囲の厚みを強調し、イタリアのデザインとは違った硬派な男らしさが演出できます。 生地の柄や色は、比較的落ち着いたテイストや伝統的なものが多くあり、クラシカルな雰囲気を求める方にぴったりです。
1年を通して雨や曇りが多いイギリスの気候に合わせ、イギリスのスーツの機能面は、理にかなったところがあります。ロンドンの緯度は北緯51度と札幌の北緯43度よりも高いところにありますが、温暖なメキシコ湾流の影響もあり、そこまで寒冷な気候ではありません。
しかしイタリアなどと比べると、北大西洋海流の影響により、夏は冷涼で冬には濃霧が発生したりもします。このような湿気がある気候の中で快適に過ごすため、目の詰まった厚みのある上質な生地が求められてきた歴史があります。
またツイードの産地スコットランドは寒さも厳しく、ハンターや漁師が着るために作られたツイード生地は、そのような過酷な環境にも耐えられるように暖かく丈夫な素材です。
同じ島国根性でよく比較をされるイギリスと日本ですが、実際にその国民性には似ているところもあります。イギリスは地続きで隣国と繋がっていないことから、独自の文化や思想を育んできた背景があり、それはスーツにも現れています。
スーツ発祥の地であるというプライドも高く、その伝統的な製法やデザインを頑なに守り続けているミル(織元)も多く、生産性よりもそのプロセスや希少価値を大事にしているブランドもたくさんあります。またクオリティの良いものを長く使う国民性もあるので、生地の耐久性や普遍的なデザインなどが英国紳士にとって重要なポイントでもあると言えます。
1500年代にイギリスのウエストヨークシャー地方で創設され、生産手法等継承し続けてきた高級ウーステッドメーカー。イギリスらしい伝統的工法や色味・柄を大切にしながら、着れば着るほど馴染む服地を提供しています。
1915年イギリスのウエストヨークシャーで創業された生地メーカー。しっかりとした打ち込みの強い英国服地でスーツのシルエットをしっかりと保ってくれます。耐久性あるビジネススーツを仕立てたい人におすすめです。
1875年にウエストヨークシャー州で創立された生地ブランド。イギリス生地らしいしっかりとしたハリとコシがあり、通気性や耐久性に優れているフレスコ生地は、アクティブなビジネスマンにもオススメの素材です。
イギリス最初の英国服地マーチャント(商社)の一つ、1807年の老舗企業です。ロンドンの紳士服のメッカ “サヴィル・ロウ”に拠点を置き、イギリスらしくもファッショナブルな大人のための服地を提供し続けています。
1910年に創業し、世界中のテーラーや名だたるアパレルブランドに記事を提供している、イギリスの老舗織元です。技術革新を積極的に行いながら、細番手の糸を使った光沢のある高級生地に定評があります。
1899年にイギリスのウエストヨークシャ州にて創立された、老舗服地ブランド。現在は高級服地マーチャント「スキャバル」の傘下にあり、英国の伝統と現代感が織りなす優れたテキスタイルを生産しています。
1819年にウエストヨークシャー州ブラッドフォードにて始まった、イギリスの織元です。イギリスの生地の中では比較的軽くしなやかな品質で、ビジネスマン用スーツとしての機能面とコストパフォーマンスに優れているブランドです。
1921年にロンドンの服地卸商の集まるゴールデンスクエアにて創業された、老舗服地マーチャント(商社)です。ロンドンの紳士服の聖地”サヴィル・ロウ”でも信頼を寄せられており、ブリティッシュクラシカルな雰囲気が魅力的です。
1896年にイギリスのウエストヨークシャー州で創業された、歴史ある服地商社です。英国らしいヘビーウエイトの生地は、大人の装いにぴったりな上品でクラシカルな色展開が特徴。世界中のテーラーやデザイナーに愛されています。
1846年創業でロンドンの中心地ボンドストリートに本社を構える、イギリスの老舗服地マーチャント(商社)です。ドネガル・シェットランドなどのツイード生地に定評があり、世界の名門テーラーからも絶大な信頼を得ています。
・特徴: 1819年にヨークシャー州で創業されたイギリスの老舗織元です。イギリスらしいハリとコシのある生地に、伝統的なチェック柄・千鳥格子柄・イタリア寄りの現代的な明るい色の生地などもあり、バリエーションも豊富です。
1893年に馬具専門の製造メーカーとしてスタートした会社。現在では紳士服を中心としたファッション関連製品を幅広く取り扱っています。生地生産の工場は保有していませんが、世界中から選りすぐりの上質な素材を集めており、その品質は確かなものです。
1959年創業と、老舗服地メーカーが多いイギリスの中では比較的新しい会社です。英国服地としては、滑らかで光沢がある生地を生産することで知られており、世界中の高級ブランドなどに生地を卸しています。
特徴:1883年にイギリスのウエストヨークシャー州で創業された、品質・知名度ともに業界トップレベルといわれている服地メーカーです。かなりこだわりを持って仕上げ工程をされた生地は、柔らかく上品な艶があります。
1959年にイギリスのウエストヨークシャー州で創立された生地メーカーです。英国王室御用達の高級ミル(織元)として、ロンドンの紳士服のメッカ”サヴィル・ロウ”で活躍するテーラーがもっとも好んでチョイスする生地の一つでもあるといわれています。
1846年にスコットランドのハリス島にて作られるようになったツイード生地。バージンウールを使用し、島内での染色・紡績・手織りをするという、ハリスツイード協会の定めた厳しい条件をクリアしたものだけがハリスツイードと認められています。
1881年にロンドンの服地卸商の中心であったゴールデンスクエアで操業された、高級生地のみを取り扱う商社です。「生地のロールスロイス」とも呼ばれており、本物志向と最高品質を求めるエグゼクティブから指示を得ています。
1772年にイギリスのサマセット州で創業された、老舗ミル(織元)。フランネル生地の創設者として公認されており、その耐久性と高品質を兼ね揃えた生地は、秋冬の定番服地としてイギリス国内はもとより世界中の名門テーラーから愛されています。
1881年にヨークシャー州にて始まった服地商社。いくつもの戦火を乗り越えながら、常に正統派の商品を提供し続けてきたベイトマン・オグデンは、時代に合わせた高品質な生地の卸販売を、積極的にグローバル展開しています。
1836年にロンドンの高級ブティックが立ち並ぶボンドストリートにて創業され、長きに渡って高品質な服地を提供し続けている老舗の商社です。英国王室をはじめ本国の高級テーラー、パリのオートクチュールなどにも生地を供給しています。
1782年にイギリス南西部のストラウドで設立され、紡績・織り・仕上げまで一貫して行う生地メーカーとして有名です。染料や化学物質を使用せず、洗いにも天然石鹸を使用しており、エシカルなブランドのこだわりがみられます。
取扱 生地数 |
300点(現物) |
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取扱 生地数 |
13,000点以上 |
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取扱 生地数 |
500点 |
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